予選落ちの石川遼 先輩が「甘さ」を指摘 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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予選落ちの石川遼 先輩が「甘さ」を指摘

連載「マルちゃんのぎりぎりフェアウエー」

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PGAツアーでの対決が見られる日も近い? (c)朝日新聞社 

PGAツアーでの対決が見られる日も近い? (c)朝日新聞社 

 同い年のプロゴルファーとして注目されている石川遼選手と松山英樹選手。先月は同じツアーで初対決し、松山選手の方が好成績を残す結果となった。これについてプロゴルファーの丸山茂樹氏は、石川選手の中に「甘さ」があるとし、次のように話す。

*  *  *
 国内メジャー第2戦の「日本ゴルフツアー選手権」(6月20~23日)で、石川遼と松山英樹の21歳プロ初対決が注目を集めました。結果は遼が初日の8オーバーが響き、予選通過に2打及ばず。英樹は全米オープンから帰国したばかりで体調を崩しながらも7位。7試合連続のトップ10入りを果たしました。

 今回は遼についてお話ししたいと思います。同組で回ったのですが、初日は遼が英樹を意識しすぎて最下位。気持ちが空回りすると、ああなるんですね。一転、2日目の遼は開き直って7アンダー。2日目に火を噴いて挽回し、最後まで予選通過のチャンスを残したあたりは立派かなと思いますけど、この世界はやはり結果で語られるので、予選で落ちてしまっては意味がない。

 2日目のパフォーマンスを、なぜ初日からできないのか。パターを替えたのが大きかったのか、あるいは別の理由があるのか。それは彼にしか分かりませんけど、厳しく言うなら、意識過剰というのも反省すべき部分かな。世界の大物たちは、「ライバルより上に」という強い意識の中でも結果を残す。それが宿命みたいなところがあるんです。その意味では、初日の遼は気持ちが揺れ動いていた。まだ集中力の甘さがある。そこが今年から本格参戦しているPGAツアーで苦労してるところにつながっているのかもしれません。

 大会前、遼が僕の代官山のカフェに来て、1時間半ばかり話をしたんです。あんなに長く彼と話したのは初めてでした。「日本ではどうにかなったものが、アメリカではどうにもならない。それは自分の未熟さです」と言ってましたね。

 具体的な数字を見れば、ショットに関してはそこそこ頑張れてるんです。ドライバーの正確性やパーオン率は、タイガー・ウッズと比べてもそんなに差がない。でも結果が天と地なのは、グリーン周りに大きな比重があるからでしょう。そこを彼がどう考えるかですね。

 まあ、そう焦ることもないんですよ。僕が成功しだしたのも30歳ぐらいでした。だから遼には「まだまだ下積み期間があるんだから、頑張れ」と伝えました。

 彼は経験値が少ないですからね。本格的に試合経験を積み始めたのが15歳でしょ? たかだか6年の経験値で通用するほど、PGAツアーは甘くない。いまこの段階で素晴らしい経験ができてることに感謝して、一歩ずつ精進する。それも常に自分を振り返って、足元を見ながら。空ばかり見てても、うまくいかない。

 もう一つ、理想は高すぎない方がいいと思います。夢はもう「4大メジャー全制覇」でもなんでもいいんです。男として生きていく限り、でっかい夢を持って生きていかないと意味がないですから。でも日々追いかける理想は、あまり高く掲げないこと。理想が高すぎて、心がついていかなかったら、こんなにつらいことはないですから。

 これからも二人には、同学年のライバルとして高め合い、夢に向かっていってほしいと思います。さて私事ですが、セガサミーカップ(7月4日~)から試合に復帰します。今シーズン休養の原因になった左手親指の付け根の慢性亜脱臼は、いまも一進一退の状況です。でも、いま出せる力はすべて発揮して、4日間プレーするつもりでいます。ただ、期待はしないでくださいね。ハハハ。

週刊朝日  2013年7月12日号


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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める。19年9月、シニアデビューした。

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