もしもの時に、生活の助けになってくれる心強い存在、保険。しかし長い期間、同じ保険に加入しているとその内容もうろ覚えになってしまうのではないだろうか。そんな時にもし保険会社から「新しい保険に変えませんか」と勧められたら、注意する必要があるという。

 加入中の保険契約を活用して、新たに別の保険を契約することを「転換」という。現在の契約の積立金を下取りし、新しい契約の支払いに充てるため、新契約の保険料が割安になったように感じるのだが、経済ジャーナリストの荻原博子さんは「転換を勧められたら注意です。『お宝保険』を失ってしまうと大損ですよ」と、強く警告する。

 1980年代から90年代ごろに契約した保険は、利回りが今とは比べ物にならないほど高い「お宝」の可能性がある。いま販売している保険に転換すると、利回りがぐんと下がることになる。荻原さんは言う。

「利回りの高い以前の保険は、保険会社にとっていわば“不良債権”ともいえます。これを無くすための『最近の商品はいいですよ』との甘い言葉には気をつけてください」

 保険会社が契約者に転換を勧める場合、転換した場合の新旧保険の内容比較などについて書面で説明することが義務づけられている。確認の印鑑を押す前に、もう一度内容を確認しよう。

週刊朝日 2013年7月5日号