日ハム大谷の「二刀流」は二流を育てているようなもの?

週刊朝日
 日本ハムの「二刀流」ルーキー大谷翔平(18)がまた、歴史に名を残した。6月18日の交流戦・広島戦に「5番・投手」で先発出場。初めて1試合で投打両方をこなした。先発投手がクリーンアップを打つのは1963年5月12日、東映戦での梶本隆夫(阪急)以来、50年ぶりだった。

 この日、「投手大谷」は4回を投げ、被安打4で3失点。5回からは右翼に回った。「打者大谷」は3打数1安打1打点だった。「投手として試合が作れなかったので30点、打者としては50点です」と自己採点した。

「高校生からメジャーに行って活躍した人はいない。パイオニアになりたい」。花巻東高3年の大谷はそう言って、一度は米大リーグ挑戦を表明した。だが日本ハムがドラフト1位で強行氏名。栗山英樹監督に「二刀流のパイオニアになってほしい」と口説かれた。

 そして始まった異例の二刀流挑戦。6月22日現在で、3試合に先発して14回を投げ、1勝0敗。防御率は5.14だ。一方で74打席に立ち、70打数23安打の打率3割2分9厘。同日現在の規定投球回数(61)と規定打席数(189)には大きく届かず、防御率や打率ランキングには入ってこない。野球解説者の江本孟紀さんがこう語る。

「超一流になれる素材なのに、こんな中途半端なことをさせていては、二流を育てているようなもの。どちらかに専念させて場数を踏ませ、記録も積み上げさせないと。投手としては球にバラつきがあるし、まだ9回を投げ切るスタミナはない。20勝するような存在になるには、専念したってだいぶ時間がかかる。このままではスーパースターを潰してしまいかねないよ」

 栗山監督はパ・リーグの試合でも指名打者を使わず、大谷に投打両方を委ねることも考えているという。この場合、大谷以降の選手も打席に立つことになる。

「大谷の二刀流のために交代させられる選手がすでに出ているし、普段は立たない打席に立つ投手が出てくる可能性もある。日本ハムの他の選手がどう思ってるのか、気になりますよね。話題も全部、大谷に持っていかれるし」(江本さん)

 野球評論家の江夏豊さんは1973年の中日戦で先発して11回まで無安打無得点に抑え、自らのサヨナラ本塁打で史上初の延長戦ノーヒット・ノーランを決めた。そんな夢を大谷に見たくもなるが、

「あれは偶然。やった本人が言うんだから間違いない。大谷は打っても投げても大したもん。ただ現実問題として、ずっと二刀流はできない。いずれは自分で決めないとね」(江夏さん)

 大谷の最終的な目標は大リーグ挑戦だ。昨年、いったんメジャーを発表した際、彼はこう言った。「(米国で)やるからには世界一の投手になりたい」。18歳の日々が、その夢へつながるのを祈るだけだ。

週刊朝日 2013年7月5日号

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