参院選の前哨戦とされる東京都議選が迫っている(6月14日告示、23日投開票)。都政専門誌である「都政新報」の都庁班キャップ、森地(もりち)明記者(44)に、「注目の候補者」を聞いた。

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 政権交代前夜だった前回2009年の都議選と比べて盛り上がっていないとはいえ、候補者や選挙区を個々に見ていくと、実は都議選、案外おもしろいですよ。

 まず二世議員をはじめ国会議員の関係者が多数立候補しているんです。

 でも血縁があっても当選できるとは限らない。議席を取れそうなのは台東区の中山義活・民主都連会長の長男寛進氏ぐらい。先日、中山会長に会いましたが満面の笑みでした(笑い)。杉並区から立候補予定で、維新の小沢鋭仁元環境相の次男諭由氏や、中津川博郷前衆院議員の長男将照氏も江戸川区から出ますが、実に厳しい。

 みんなは渡辺喜美代表のおい、美智隆氏を中野区で擁立しますが当選は難しいでしょう。

 中でもみんなの柿沢未途衆院議員の妻、野上幸絵氏に注目。練馬区の民主都議だったのですが、離党し選挙区を夫の地盤、江東区に変えました。夫婦で並んで写ったポスターが貼られています。必見です。

 そしてすっかりおなじみとなったグラビア系。衆院選にも出た日野市の維新、佐々木理江氏は最近結婚しご祝儀票に期待。11年の「国民的美魔女コンテスト」で決勝に残った世田谷区の海老沢由紀氏も衆院選に続き出ますが、選挙区は茨城1区でした。こちらは厳しい。

 同じ世田谷区からみんなの塩村文夏氏が出ます。「恋のから騒ぎ」に出演していました。世田谷というのは土地柄が難しくて、区議出身でないと勝てない。前回も当選者のうち6人が区議出身。今回も立候補者は区議出身が多いです。

 世田谷には維新の花輪智史氏もいますね。民主を離党し11年の世田谷区長選に自民推薦で立候補。そして衆院選からは維新の候補になっています。このように世田谷はキャラが豊富です。

週刊朝日 2013年6月7日号