アベ相場は終わったのか。野田佳彦前首相が「解散宣言」した昨年11月から急上昇してきた日経平均株価は5月23日、大暴落した。下げ幅は1143円と、13年ぶりの大きさとなった。相場は大波乱だ。しかし、投資家は楽観的で、まだ上がる銘柄があるという。

 そんななかで、どんな銘柄を買えばいいのか。専門家に注目銘柄を聞くと、大きく四つのテーマに分かれた。「資産効果」「女性」「医療」「クールジャパン」である。いずれもアベノミクス関連と、まさに相場格言どおり、「国策に売りなし」だ。

 まずは「資産効果」銘柄だ。

「東証1部市場の時価総額は、昨年11月から約200兆円増えました。個人投資家はその約2割を保有しているため、資産が40兆円程度増える効果があったでしょう」(岡三証券日本株式戦略グループ長・石黒英之氏)

 株高で儲けたお金が向かうのはどこか。そこに、投資のヒントがあるという。

 代表格は「アート」だと大和証券SMBC金融証券研究所(現・大和証券)出身のアナリスト・崔真淑氏はみる。具体的には高額な美術品や宝飾品などのオークションを運営する「シンワアートオークション」を挙げる。透明性の高さを売りに、高額オークション市場のシェアの過半を占めているという。「昨年の半ばごろまでは、取扱高は前年同月を大幅に下回る月が続いていましたが、今年1月は963.2%増と、まさに驚異的な伸びを見せています」(崔氏)。

 石黒氏の注目銘柄は、高級ホテルや旅館などの予約サイトを運営する「一休」だ。「最近は高級レストランの利用者数も伸びているそうです。株高で『プチぜいたく』をする人が今後も増えれば、利用者数はまだ伸びるでしょう」(石黒氏)。

「女性」「医療」「クールジャパン」については、本誌をご覧いただきたい。

週刊朝日 2013年6月7日号