ああ、相続で“仁義なき戦い” 税務調査に打ち勝つ10の掟 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ああ、相続で“仁義なき戦い” 税務調査に打ち勝つ10の掟

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 相続税の申告内容が正しいかどうかを税務当局が確かめるのが「税務調査」。『相続のミカタ』(中経出版)の著者で、日本中央会計事務所の代表である青木寿幸(としゆき)税理士は言う。

「税務調査はだいたい、相続税の申告から1年後くらいにきます。時期としては、確定申告後の4月から6月、それに夏休み後の9月から11月が多いですね」

 国税庁によると、2010年に亡くなり相続税の課税対象となったのは4万9891人。翌11年7月から12年6月に実施された税務調査は1万3787件。うち申告漏れを指摘されたのは1万1159件だ。単純計算すると、申告した人のうち3割近くが税務調査を受け、その8割が相続財産の申告漏れで、追加で税金を取られたことになる。青木税理士によれば、パターンは大きく3つある。

 1つめは勘違い。たとえば亡くなった夫が生前、妻の口座に少しずつ給与を入れ、計500万円たまっていたとする。妻は「へそくり」だと認識していた。が、これは相続財産として申告しなければならない。いわゆる「名義預金」だ。また、被相続人から過去に受け取ったお金を「贈与されたから大丈夫」と申告しないのも勘違い。贈与契約書がなければ税務当局は原則、貸し付けとみなし、申告漏れの対象となる。

 2つめは、不動産を相続する際の計算違いだ。税理士が土地の路線価の計算を間違うといったミスのほかに、そもそも登記簿に記されている面積がデタラメなこともあるのだという。「江戸時代は土地をひもで測っていて、正確ではないことがあります。登記面積より実際が大きいのを『縄延び』、小さいのを『縄縮み』といい、縄延びなら相続財産が増える。本来なら相続時に測量するべきですが、居住地から遠く離れた土地が多いと、わざわざ調べないこともあるのです」(青木税理士)。

 3つめは財産隠しだ。天井裏に金の延べ棒、というドラマのような話も実在する。金の延べ棒には名前が書いていないから、相続人が「私のもの」と主張してもムダ。購入資金の出所や購入ルートを調べるのですぐに相続財産だとバレてしまう。

 注意したいのは、相続人があずかり知らない遺産、たとえば海外口座の預金や貸金庫の現金が調査で見つかった場合も、財産隠しとみなされること。やはり相続の前に、家族全員で財産の整理をしておきたい。

 申告漏れには、追徴課税のペナルティーがつく。本来支払うべき額のほか、勘違いや計算ミスの場合は10%の過少申告加算税、財産隠しなど悪質な場合は、35%の重加算税が上乗せされる。さらに利子として延滞税も加わる。これは相続人全員が連帯して負担することを肝に銘じるべし。

「税務調査で最も大切なのはウソをつかないこと」と、青木税理士は言う。調査官は相続人の家を訪れる前に、銀行や証券会社への「反面調査」を行っている。調査官からの質問で、わからない点や忘れた点は正直に伝えることが肝要だ。結局、税務調査に動じない準備を整えておくことが一番の「節税」と言える。

週刊朝日 2013年5月24日号


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