年に約1千件 家電の重大製品事故はなぜなくならない? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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年に約1千件 家電の重大製品事故はなぜなくならない?

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週刊朝日

 2005年11月28日、パロマ工業(現パロマ)製のガス湯沸かし器の使用中に、一酸化炭素中毒で上嶋浩幸さん(当時18)が死亡する事故が起きた。上嶋さんは東京都港区南麻布の自宅マンションで修理業者によって不正改造(修理)された湯沸かし器を使用していた。

 経済産業省の調べによると、家電製品などによる重大製品事故として製造事業者や輸入業者から報告があった件数は、07年度が1190件で、12年度が1077件となっている。

 6年間ずっと、毎年1千件程度の重大製品事故が発生している。重大製品事故とは、消費生活用製品安全法が規定している死亡や重傷、火災などを引き起こしたもの。そんな命にかかわるような事故が一向に減っていないのだ。

 なぜ事故は減らないのか。欠陥製品事故に詳しい中村雅人弁護士は、こう話す。

「管轄官庁の緩慢な対応がひとつの理由でしょう。パロマの湯沸かし器事故でも、経産省は06年に警視庁から『パロマ製品に起因する事故が何件も発生している』との報告を受けて本格的な調査を始めた」

 実際に経産省がパロマに対して緊急回収命令を出したのは、すでに死亡者が20人を超えた06年8月のことだった。

「初めての死亡事故(85年)の後、回収命令までに、なぜ20年もかかったのか。管轄官庁の体質が変わらなければ企業の危機感も高まらない。このままでは永遠に事故は減らないかもしれない」(前出の上嶋浩幸さんの母・幸子さん)

 過去には、パロマ製湯沸かし器事故のほかにも、複数の死亡者を出した重大製品事故が発生している。

 こうした事故を受けて、経産省はようやく重い腰を上げた。06年に製造・輸入業者に対して重大製品事故情報の報告と公表を義務づけるよう消費生活用製品安全法の一部を改正したのだ。09年9月には消費者庁を設置するなどしているが、公表された数字を見る限り、効果が得られていないのが現状なのだ。

週刊朝日 2013年5月24日号


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