どこかが痛い、こりがとれないなど、日本人は体の不調を訴える人が多いという。そんな「不調大国」ニッポンらしく、街には体の不調をやわらげるための「整体」や「マッサージ」などの施設や、宣伝文句があふれている。

 玉石混交のカイロプラクティックや整体だが、こうやって一般の人に認知されているのは、整形外科などでも改善しなかった症状に一定の有効性がみられたなど、実績があったからだともいえる。うまく付き合っていくためにも、質のいいカイロプラクティック・整体を選びたい。

(1)カイロプラクティックでは「WHOガイドライン」の教育基準を満たしている

 効果はもとより、安全面からも、WHOの推奨する教育を受けたカイロプラクターがいる施設が望ましい。日本カイロプラクターズ協会(JAC)のホームページには基準を満たした「認定オフィス」が、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)のホームページには、カイロプラクターが登録されている。ちなみに整体では、そうした団体や質を担保するようなリストが載ったホームページはない。

(2)「○×クリニック」など医療施設と間違う施設名を用いていない。誇大広告を打っていない

 カイロプラクティックも整体も法制化されていないため、医療法や「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」のような規制がなく、自由に広告もできる。しかし、あたかも病院のような○○クリニックといった施設名や、「××病が治る」というように過度な期待を与えるところは、避けたほうがいいだろう。

(3)長年、同じ地域で営業している

 地元の評判がいいところは、長年、同じ地域で施設を構えるものだ。口コミがもっとも確実だが、それが難しい場合は、長年営業を続けていることを一つの目安にするといい。なお、インターネットの口コミサイトは、書き込んでいる人が見えないだけに、参考程度にとどめたい。

(4)電話の応対がしっかりしており、無料相談を実施している

 電話で申し込んだり問い合わせたりした際の接客態度に疑問を覚えるような施設はやめる。気になる施設があったら、一度、無料相談を受けてみるといいが、有料の施術に強引に誘導するようだったら、その場で断ったほうがいいだろう。

(5)ふとんや枕、サプリメントなどをしつこく勧誘販売しない

 整体やカイロプラクティックでは日常の姿勢や生活習慣の改善を指摘されることも多い。それだけなら問題ないが、同時に物品の購入を施術の条件として求められる施設は要注意だ。

週刊朝日 2013年5月17日号