マルちゃん 試行錯誤の解説デビューで同い年の初優勝に感激 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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マルちゃん 試行錯誤の解説デビューで同い年の初優勝に感激

連載「マルちゃんのぎりぎりフェアウエー」

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 プロゴルファー丸山茂樹氏が日本ツアーの国内開幕戦でテレビ解説者としてデビュー。解説を終えて感じたこととは……。

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 丸山茂樹43歳、テレビ解説者としてデビューしました。日本ツアーの国内開幕戦、東  建ホームメイトカップ。目いっぱいしゃべらせていただきましたよっ。

 思ったことを短時間で明確に伝えるのって、やっぱり難しい。それでも、プロゴルファーと解説者、両方の立場で考えて、言いたいことは口にできたと思ってます。ただ評価は視聴者の方がするものですから、賛否両論あるでしょう。どんな声にも素直に耳を傾けながら、僕なりに試行錯誤していこうと思ってます!

 解説者デビューの試合で優勝したのが、同い年で、同じ千葉県出身の塚田好宣ってのも、感慨深いものがありましたよね。なんせプロ20年目のツアー初優勝! 僕が市川市、彼は隣の鎌ケ谷出身で、中学生からの知り合い。自分のことのようにうれしかったです。

 このトシになると、「もう優勝できないんじゃないか」という思いも、半分以上あっただろうね。そもそも東海大を中退してアメリカに渡って、オーストラリアでプロになって、日本ツアーのシード権を獲得して失っての繰り返し。そんな苦労も、この優勝で吹き飛んだんじゃないかな。塚田、心から、おめでとう!

 日本中が注目した超大物ルーキー、松山英樹(東北福祉大4年)は10位でした。最高のプロデビュー戦になったと思います。3日目に崩れて40位まで落ちましたけど、2日目の悪天候での学習を最終日に生かして66のベストスコアですから。タダモノじゃない。

「変なショットを打ちまくって恥ずかしかった」と言ってましたけど、そんなふうに思う必要はまったくない。21歳でプロデビューして、ミスは当然。人生でもミスはする。それがこの厳しい世界ならなおさらのこと。そこは深く考えずに、思い切ったプレーを毎回見せて、いいときも悪いときも一生懸命やってる姿が、ギャラリーの胸を打つんです。少し視点を変えたらいいと思いますね。

 彼のプレーを見ながら、僕のプロ1年目を思い出しました。自分で言うのも何ですが、鳴り物入りで1992年にプロになりました。でも実は、最初から躓(つまず)いていたんです。

 いまだから言えますが、あるメーカーとの所属契約がまとまる寸前で白紙撤回。プロゴルファーにとって道具は命みたいなものですから。それはもう焦りました。急きょ、別のメーカーのクラブを使い始めたんですが、合わないクラブでスイングはグチャグチャ。

 人生初めての「どスランプ」の中、ローカル大会で3戦連続の予選落ち。最悪のスタートでした。この年は結局、通算賞金獲得額がたったの261万1千円。賞金ランキングは165位ですからね……。翌年の5月にツアー初優勝を果たしたんですが、あのうれしさといったら……。僕の1年目に比べたら、英樹はずっと精神的に安定してプレーしてますよ。

 それにしても、東建ホームメイトカップは三つのホールインワンにアルバトロスまで飛び出す派手な試合でした。僕の初解説と英樹のプロデビューを大歓迎してくれたようなミラクルショットの数々でした。忘れられないっすよね。

週刊朝日 2013年5月17日号


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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める。19年9月、シニアデビューした。

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