人生の中でも大きな買い物のひとつ、不動産の購入。どうせ買うなら、先々のことも考えて値下がりしにくい場所に購入したい。週刊朝日は大都市圏で直近10年、3年の値動きを徹底調査し、騰落率を算出。価格が5千万円未満の「お手頃価格帯」と、5千万円以上の「高価格帯」に分けてランキングした。近畿圏の順位はどうなったか……。

 近畿圏の騰落率ランキング上位には、京都市営地下鉄の沿線が多い。その理由について、不動産経済研究所の大阪事務所長、石丸敏之氏はこう語る。

「京都市の上京区や、『田の字地区』といわれるエリア(東西南北に通りが走り、街が碁盤の目状になっている)がある下京・中京区は、いわゆる京都の町家がたくさんある地域なんです。2007年に新景観政策が導入され、マンションにも高さ制限などが課せられるようになりました。その関係で新築マンションが出にくくなり、希少価値が高くなっているんです。今後も下がることはないと思われます」

 一方、ランキング下位をみていくと、南海線や近鉄線が多くみられる。

「これは非常にわかりやすくて、いわゆる大阪府の南部地域で、大阪市より和歌山県のほうが近いエリアです。このあたりは関西空港ができたことで盛り上がるかとも思われましたが、完全に当てが外れた形で、率直に言って人気がない。ここには大和川という川があり、関西のマンション会社の間では『大和川より南には手を出すな』という格言があるほどです」(石丸氏)

週刊朝日 2013年4月12日号