マンションなどの不動産の購入を考えている人にとって、増税前の今はひとつのタイミングといえるだろう。購入時の価格はもちろんだが、売却のことも考えて、値崩れしにくい場所で購入したい。そこで大都市圏で直近10年、3年の値動きを徹底調査し、騰落率を算出。価格が5千万円未満の「お手頃価格帯」と、5千万円以上の「高価格帯」に分けてランキングした。

 直近10年の高価格帯のランキング上位をみると、トップの麹町駅が61.6%も高騰している。2位以下も市ケ谷駅、日本橋駅、六本木駅と、東京の超都心エリアが続く。

「いわゆるブランドエリアの超一等地ばかりですね。たとえば6位の白金高輪駅は、2005年に完成した駅直結のタワーマンション『白金タワー』が当時より25%ぐらい価格が上がっているはずです。白金高輪はもともと高価格エリア。ここ数年でさらに利便性が向上し、駅周辺の開発も進んだので、順調に値上がりを続けているといったところでしょう」(不動産コンサルタントの長嶋修氏)

 高価格帯のランキング下位には恵比寿駅、表参道駅、代々木上原駅といった人気に思えるエリアも含まれているが、「02年時点ではまだバブルの残骸のような高級マンションが残っており、それが当時の中古マンション価格を押し上げたのでしょう。価格が下がったというより、もともとの価格が高すぎたんです。高価格帯で下位とはいえ、いまも魅力があるエリアが多い」(不動産調査会社「東京カンテイ」の中山登志朗・上席主任研究員)。

 長嶋氏が注目するのは、高価格帯では下位ランキングに顔を出す泉岳寺駅だ。「02年より若干価格を落としていますが、品川駅まで徒歩圏内であるなど利便性はもともと高い。近くにJR山手線の新駅が検討されているといわれ、開発も進んでいます。今後価格が上がっていくエリアだと思います」。

週刊朝日 2013年4月12日号