世界で活躍するアーティスト・村上隆さんは、まもなくCGと実写のアニメーションを融合させた映画「めめめのくらげ」で監督デビューする。聞き手は作家の林真理子さん。

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林:村上さんみたいにこれだけの名声を得ていると、今回の映画でも、失敗は許されないという気持ちですか。

村上:いや、僕、日本で名声ゼロですから。

林:何をおっしゃいますか。そんなことないですよォー。

村上:日本はアウェーです。嫌われてるのを毎日感じて過ごしております。(笑)

林:ウソでしょう。映画の宣伝の冊子にも「あの村上隆が」って大きく書いてあるじゃないですか。「あの」っていうのは、誰もが知っているという意味でしょう?

村上:違いますよ、「あの品のないマスターベーション(『マイ・ロンサム・カウボーイ』)や巨乳(『ヒロポン』)のフィギュアで何億円も売っているアホが、映画の監督をやった」という意味ですよ。(笑)

週刊朝日 2013年4月12日号