東大と京大の実力にはどのような違いがあるのか。アカデミズム・文化の分野では自然科学系で京大が強さを見せたのに対し、文学賞受賞者など文化の世界では東大が圧倒している。経済・実業界ではどうだろうか?

 東大OBによると、企業などに就職した人たちは、ひとまとめに「ミンカン(民間)」と呼ばれるそうだ。それほど「官」への就職が多い東大だが、実業の世界ではどんな活躍をしているのだろう。

 東洋経済新報社が全上場企業を対象に、毎年行っている「役員四季報」調査(2012年)によると、企業トップの出身大学は慶應が1位(313人)、次いで早稲田(231人)、東大(201人)の順になっている。京大は5位だが、88人とそれなりの数がいる。

 京大の地元である関西経済連合会(関経連)の会長も、東大の6人に対して、京大は4人と健闘している。ところが、日本経済団体連合会(経団連)の会長となると、歴代12人のうち8人を東大が占め、京大はゼロだ。この点について、経済評論家の山崎元氏(東大経済)はこう分析する。

「出身大学の意味は、“18歳時点の学力”の達成度合いであり、これはわりあい客観的な物差しです。トップの偏差値である東大に合格した人たちは、もともとの情報処理能力に加えて、目的達成意欲が強い傾向がある。だから、企業に就職してからも、出世レースでトップを目指してがんばる人が多いのです」

 トップや権威を求める志向は、医師の世界でも同じなのか。日本医師会の会長をみると、初代の北里柴三郎から10代目までの9人中7人が東大卒だ。京大は医学に強いイメージがあるが、まだ一人も出ていない。

 東大(理I)を中退、京大医学部に入り直し、医師になったという経歴を持つ色平(いろひら)哲郎氏はこう語る。「恵まれたポストにうまくはまりこむことをよしとする東大の空気が嫌でやめました。東大がタテ社会を前提としたエリートなら、京大は在野精神を持つ自由人。自らの力で道を切り開いていこうとする気風が自分には合っていたようです」。

週刊朝日 2013年4月5日号