「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の「ONE PIECE(ワンピース)」といえば、1997年の連載開始以降、コミックスの累計発行部数2億8千万部以上(現在69巻、3月21日時点)と日本の漫画史上最も売れている浸画だ。そのワンピースが同誌の3月18日発売号で突然「作者急病」で休載した。しかし、ネット上では、その理由を巡る、とある臆測が飛び交っている。

 それは、休載する前号(3月11日発売)に登場した「新キャラクターが原因ではないか」というものだ。そのキャラクターは、名前こそ“盲目のおっさん”としか明かされていないが、短髪にひげ面、刀を仕込んだ杖を手にして賭博に興じるその姿は、昭和の名俳優、勝新太郎が演じた「座頭市」そっくりだ。風貌だけではなく、「お兄さんちょいとどいてておくんな」「この人の世にゃあ見たくもねェウス汚エモンも…たくさんありましょう……」など、セリフも座頭市を連想させる言い回しなのだ。

 これにはワンピースファンも驚いたのか、ネットには、「座頭市じゃねえか!」「これはダメ」など批判的な声があふれた。そして、「勝新側から肖像権などでクレームがきたのが休載の真相では?」という臆測が広がったのだ。

 著作権問題に詳しい内藤篤弁護士によると、「勝新太郎さんは亡くなっているので肖像権は消滅したと考えるのが妥当。著作権も風貌が似ているだけで座頭市と名乗っていないので訴訟は難しいのでは」というが、はたして“噂”の真相は?

 勝新太郎の肖像権を管理する勝プロダクションに話を聞くと、「そんな話、初めて知りました。似てるだけなら問題ないかもしれません」と、クレームをつけた事実はないという。

週刊朝日 2013年4月5日号