マスクを製造する中国の国内メーカー (c)朝日新聞社 @@写禁
マスクを製造する中国の国内メーカー (c)朝日新聞社 @@写禁

 日々飛来している微小粒子状物質PM2.5。国立環境研究所によれば、1月31日には全国の測定局155局のうち、瀬戸内や九州北部など48局、比率にして31%で環境基準値(1日平均で1立方メートルあたり35マイクログラム)を超えた。

 PM2.5に詳しい大分県立看護科学大学の市瀬孝道教授は、こう話す。「PM2.5は、黄砂や花粉に付着して飛んできます。黄砂が多く飛ぶ3~5月の前でも、低気圧が大気を巻き上げれば、日本列島にPM2.5を押し流してしまうでしょう」。花粉、黄砂に加えてPM2.5という「トリプルパンチ」だと言うのだ。

 しかも、その量が増える「本番」は目前に迫っている、という見方がある。「『春一番』が吹く2月下旬から3月上旬です。PM2.5の影響を受ける患者が増えるでしょう」(用賀アレルギークリニックの永倉俊和院長)。

 そもそも、PM2.5とは、直径2.5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の粒子を指す。髪の毛の太さの30分の1、スギ花粉と比べでも12分の1という小ささ。正体は、工場のばい煙やディーゼル車の排ガスに含まれる「すす」などだ。

週刊朝日 2013年3月8日号