テレビや新聞でよく耳にする「投資信託(投信)」。投資家から集めたお金(ファンド)を使って、株や債券などに投資し、配当、利子、売却益などの儲けは投資家に分配するものだ。どんなメリットがあるのか。本誌はそのメリット・デメリットをまとめた。

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 ファンドを使って、どんな金融商品をいつ、どれだけ売買するか、という運用の責任者をファンドマネジャーと呼びます。「日本株ならともかく、海外株は有望な個別銘柄を探すのが大変。優秀なファンドマネジャーを見つけて、運用を任せたほうが効率的でしょう」(「株レッスン」主宰の横山利香氏)。素人が下手に手を出すより、プロに任せるのもひとつの手なのです。

「投信は過去の成績を見ることができます。購入する際はそれを必ず見て、運用実績の高い投信を購入するとよいでしょう」(投信評価会社「モーニングスター」アナリストの下村優太氏)

 分散投資も特徴のひとつ。投信は、株でも債券でも、多くの資産に分散して投資します。投資するA社の株価が下がったとしましょう。でも、ほかの投資先であるB社の株やC国の国債の値上がりで補えます。仮にA社が倒産しても、その投信が紙くずにならずにすむわけです。加えて、購入単価が低いのもメリット。基準価額は、1口当たり1万~2万円程度。1口から買えるので、お小遣い程度の金額から気楽に始められます。一方、個別でトヨタ自動車株に投資すると、40万円以上が必要です。

 もっとも、メリットばかりではありません。まず、元本は保証されません。コストが高いのもデメリットです。購入する際には、ほとんどの場合、2~3%程度の手数料を支払います。運用会社などに支払う信託報酬も必要になります。短期で売る場合はコストをよく考えてからにしましょう。

週刊朝日 2013年3月1日号