「アベ相場」が底堅く推移するなか、投資信託への関心が高まっているという。これから1カ月で、「価格」が1割以上アップする投信は何か。専門家5人に予測にしてもらった。1カ月後には、答え合わせと成績を発表する。

 まず「ファイナンシャルリサーチ」代表・深野康彦氏の意見は、「1カ月で1割以上を狙うのなら、レバレッジをかけるしかない」。小さな力で大きなものを動かす「てこ(レバレッジ)」にたとえて、元手資金よりはるかに多い金額の運用をすることをレバレッジ取引と言う。「一本調子で上昇する相場のときにうまく使えば、高い利益をあげられる可能性があるのです」(深野氏)。ファイナンシャルプランナー(FP)の横山利香氏も同じく注目する。

 これに対して、「All About」の投資信託ガイドを務めるFPの村岡里香氏は、「相場は調整すると見ています。投資先の銘柄を絞り込んで勝負できる投信じゃないと勝てないでしょう」と、値上がりする銘柄を探し出す能力に優れた敏腕ファンドマネジャー(FM)が運用する投信に注目する。投信評価会社「モーニングスター」アナリストの下村優太氏も同じ意見だ。「悪い相場でも高いパフォーマンスを出しているFMは手腕がある。実績を見ればわかります」(下村氏)。

 経営コンサルティングなどを行う「スキラージャパン」副社長の伊藤亮太氏の着眼点は、「日米を中心に世界景気は上向いていくでしょう。特に米国は住宅市場や雇用情勢が改善傾向にあります」。景気回復への期待から日米の株に投資する投信はレバレッジ型を選択。不動産市況の上昇を見込んで、日米のリート(不動産投資信託)に投資する投信も注目する。

 果たして、5人の専門家の結果はいかに。ただ、どの意見を参考にするにせよ、ハイリターンであることは、ハイリスクと表裏一体であることをくれぐれもお忘れのないように。

週刊朝日 2013年3月1日号