衆院当選2回で、早くも未来の総理・総裁候補と目される31歳は、どのようにして育まれてきたのか。小泉進次郎氏は「高校野球が原点」と表現する。

 進次郎氏の巧みな演説の十八番とも言えるテーマが「高校野球」だ。例えば、昨年、地元で開かれた公開討論会ではこう発言した。「ホームランはいらない。ヒットでいい。もしくは犠牲バントでいい。そういう政治を実現したい」。

 野球少年だった進次郎氏にとって、横浜市の関東学院六浦高で野球部員として活動した3年間は、「私の原点」と表現するほど忘れがたい日々だったようだ。

 1981年生まれの進次郎氏は、誕生の翌年に両親が離婚。三つ上の兄・孝太郎氏とともに父親の元に残り、純一郎氏の姉2人に育てられたとされる。

 近所の理髪店の店主はこう振り返る。「この辺では、国会議員の子どもでも特別扱いしないから、よく遊びに来てましたよ。進次郎君はお兄ちゃんよりしっかりした印象で、子どものころは夏休みに新聞配達のアルバイトをしたこともある。野球に夢中で、家庭教師がついていたけど勉強は好きそうじゃなかったなあ」。

 高校時代から、兄とともに父の事務所を手伝っていた進次郎氏。当時は目立つ存在ではなかったという。「学生時代の印象は、ワン・オブ・ゼム(大勢の中の一人)。服装には無頓着で、『お兄さんは、あんなにいい男なのになあ』と言われてました(笑い)」(知人)。

 ただ、すでにその資質を見抜いていた人もいる。竹内英明神奈川県議会議長はこう語る。「彼は暇があると後援者の車をふいて、汗をかいていた。大人たちの話にも、『何の話をしてるんですか』と入ってくる。人と触れ合うことに貪欲で、政治家向きだと思いました」。

週刊朝日 2013年2月8日号