受験生がいよいよ正念場を迎えるこの時期。有名大学の合格者たちは、どんな気持ちで入試に臨んだのだろうか。著名人たちが受験で励まされた「言葉」を聞いた。

 俳優の辰巳琢郎さん(54)=京大・文=は、「同じ人間、同じ18歳。ほかのやつにできて、自分にできないはずがない」と自分に言い聞かせ、つねに前向きな気持ちでいるように心がけたという。

 悔しかった言葉やショックを受けた言葉をバネにがんばった人もいる。ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(72)=京大・文=は、高校3年生の夏に、担任の先生から、「無理だ」と言われた。

 京大は無理だから浪人して九州大学へ行くようにとすすめられたのだ。この一言が心に火をつけたという。「負けてたまるかって、奮起しましたよ」。

 受験直前の2月に入ってからは、京都に下宿し、食事とトイレ以外は、京大の傾向と対策だけをやり、京大に見事、現役合格した。「だらだらやるより、集中してやったほうが成果は上がる。あの言葉のおかげかもしれない」(鳥越さん)。

 経済評論家の山崎元さん(54)=東大・経済=は、「迷ったら、寝る」を、座右の銘としていた。睡眠時間を削ってでも、勉強したくなる時期だが、「睡眠の足りている頭と足りていない頭では性能が違う。寝不足で無理しても覚えられない。眠くなったら、いきざよく寝るべきです」という。

週刊朝日 2013年2月8日号