振付稼業air:man2004年に杉谷一隆と菊口真由美が旗揚げした振り付けユニット。現メンバーは18~40歳の7人。08年には、振り付け担当したユニクロのCM「UNIQLOCK」が、世界3大広告賞すべてでグランプリを受賞(右から辰野翔亮、杉谷一隆、菊口真由美、野本清)(撮影/写真部・松永卓也)
振付稼業air:man
2004年に杉谷一隆と菊口真由美が旗揚げした振り付けユニット。現メンバーは18~40歳の7人。08年には、振り付け担当したユニクロのCM「UNIQLOCK」が、世界3大広告賞すべてでグランプリを受賞(右から辰野翔亮、杉谷一隆、菊口真由美、野本清)(撮影/写真部・松永卓也)

 振付稼業air:manの振り付け本数は、年間千パターン以上。CMは約2日に1本撮っている。CM以外でも、AKB48、SMAP、木村カエラといったミュージシャンの振り付けから、最近話題の教育番組「歴史にドキリ」(Eテレ)のダンスまで、記憶に残るものが多い。ユニークな動きはどこから生まれてくるのか?

「例えば、『変な動きをしたいけど、下品にしたくない』とクライアントに言われたら、では下品って何?と徹底的に考えます。女の子のガニ股を下品とするなら、内股の変な形はどうだろう?とパターンを作っていく。言葉を紡ぎ出していけば、答えに辿り着く」

 そう話すのは、主宰の杉谷一隆さん(40)。「振付師=ダンサーと思われがちですが、実際は正反対です。僕らは“踊らせる人”。だから、すべての動きを言葉で説明できないとダメ。5時間あれば4時間議論して、1時間で体を動かし振りを完成させます」ともいう。

 今年は、「CMだけじゃなく、ダンスが必修になった学校教育にも進出し、どんどん無節操にやっていきたい」というair:man。常に日本のどこかで彼らの振り付けを目にする日は近いかも。

週刊朝日 2013年1月18日号