スポーツによる痛みは、それを除去するだけではなく、スポーツを再開できるまでしっかりと治療したい。保存療法や手術について、駿河台日本大学病院整形外科客員教授の斉藤明義医師に話を聞いた。慢性スポーツ痛のひとつで、ランナーなどに多い足裏の土踏まずの痛み、足底腱膜炎(そくていけんまくえん)についてだ。

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 足底腱膜炎は、足の縦のアーチをつくっている足底腱膜がジャンプなどの衝撃で引っ張られ、腫れたりして厚くなることで起こります。おもな治療法は、ストレッチやアイシング、ホットパック、マッサージなどの保存療法です。とくにレーザー治療は翌日に改善することの多い治療法といわれています。

 体外衝撃波療法は、衝撃波をからだの外側から患部に照射する治療です。衝撃波とは、エネルギーが放出・蓄積されるときに発生する圧力波のこと。新しい治療法のため、これを受けられる病院はまだ限られています。リスクのない安全な治療だといわれていますが、照射時には軽い痛みをともなうこともあります。また、肩やひざなどのほかの部位に使う場合には、保険が利かず自費診療となります。現在は足底腱膜炎だけが保険適用として認められているのです。そのほか、その人の足の形に合わせたアーチのサポートも大切です。

 半年以上、保存療法を試みても改善しない場合などには、腫れたりして厚くなっている足底腱膜を切ってゆるめる手術をすることもあります。術後、足底腱膜は引っ張られなくなり、痛みが改善するのです。手術自体のリスクはないといわれています。

週刊朝日 2013年1月4・11日号