2007年7月の参院選では惨敗。来夏の参院選でリベンジなるか (c)朝日新聞社@@写禁
2007年7月の参院選では惨敗。来夏の参院選でリベンジなるか (c)朝日新聞社@@写禁

 16日に行われた衆院選は、自民党が294議席で圧勝した。3年3カ月ぶりの政権復帰に、自民党内はすでに「躁状態」のようだ。

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「結党以来、これだけ長く政権を離れていた時期はない。その反動が来る」(閣僚経験者)

 党内では選挙前から「麻生太郎財務相」「高村正彦外相」「菅義偉官房長官」といった“人事案”が勝手に飛び交い、復帰組の一人は、「浪人していた我々が地方で頑張ったから、自民党が見直された。希望ポストを要求する権利がある」と意欲満々。久々に手がける予算編成でも、“存在感”を示そうとする議員が続出しそうだ。

 だが、政権を担う安倍晋三次期首相(58)にとって、いつまでも夢見心地でいられるほど状況は甘くない。最初のハードルは人事だ。

 安倍氏は党幹部人事を固めたうえで、12月26日召集の特別国会で首相指名を受けて、即座に組閣を手がける。

「派閥の領袖クラスが新人を取り込むため、すでに安倍さんにポスト要求をねじ込んでいる。派閥均衡にしたら『先祖返り』とたたかれるし、気心が知れた議員を登用したら『お友達』と言われる。どちらにせよ色眼鏡で見られ、最初のキズになりかねない」(自民党関係者)

 この人事と並行して、1月下旬の通常国会開会までに、10兆円規模ともいわれる大型補正予算案を作成。さらに、2013年度予算案を練り上げ、国会審議に備えなくてはならない。新年度予算が成立するのは5月の大型連休明け。7月の参院選はすぐにやってくる。

「国会がもめそうな『安倍色』は、参院選で勝つまでお預けだ」(参院自民幹部)

週刊朝日 2012年12月28日号