紅白歌合戦の審査員をオファーされているというが…… (c)朝日新聞社 @@写禁
紅白歌合戦の審査員をオファーされているというが…… (c)朝日新聞社 @@写禁

 新横綱として迎えた九州場所で、9勝6敗という横綱昇進場所としては25年ぶりとなる1ケタ勝利に終わった日馬富士(28・伊勢ケ浜部屋)。

 11月26日には、横綱審議委員会(委員長=鶴田卓彦・元日本経済新聞社社長)から「2ケタの勝ち星がないのは横綱の資格がない」「(昇進が)早すぎたかもしれない」と異例の“お説教”を受ける事態となっていたが、なんと当の日馬富士はその最中、モンゴルへの帰国の途にあったという。

「以前から、横綱昇進場所を終えたら、亡くなったお父さんの墓参りに行くと決めていたようです。確かに、12月2日から福岡県直方市で始まる冬巡業までは休みなんだから、モンゴルに帰るな、とは言いません。ただ、あんな成績しか残せなかったんだから、本来は自重すべきでしょう」(ベテラン相撲記者)

 だが、横綱の自覚を促した横審側にも自覚が足りなかったようだ。

 26日の記者会見後、報道陣に囲まれたベテラン委員の沢村田之助氏(歌舞伎俳優)は、もし来場所も1ケタ勝利止まりだったら?と水を向けられると、「引退ですよ、もうそれは。少なくとも10勝はあげてほしい」と答えたと報じられた。

 しかし沢村氏は翌日、その発言の真意を夕刊紙に確認されると、「私もスポーツ紙を見て、びっくりしました。即引退なんて、そんなことは一言も言ってないんですが」と答えたというではないか。

「1ケタしか勝てないということは、場所の10日目ぐらいには優勝争いから脱落しているということ。横綱が2場所続けてそんな体たらくなら、引退勧告されるのは当然。そういう当たり前のことを指摘した本人が、『言ってない』と言ったわけで、責任逃れですよ。任期満了で横審を退いた脚本家の内館牧子さんは毅然(きぜん)としてたなあ(笑い)」(前出のスポーツ紙デスク)

 横綱も横審も“いい勝負”ってこと!?

週刊朝日 2012年12月14日号