手足のふるえや筋肉のこわばりが特徴のパーキンソン病。治療の中心は脳神経内科だが、脳神経外科との恊働が注目されている。他科との連携はどう進むのか。国立精神・神経医療研究センター病院パーキンソン病・運動障害疾患センター長の村田美穂医師に聞いた。

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 パーキンソン病治療において脳神経内科と脳神経外科との連携は欠かせません。そして同じくらいに重要で、しかも注目度が低いのはリハビリテーション科との連携です。ほとんどの病院のリハビリ科は脳卒中などの患者さんのリハビリが中心で、パーキンソン病をすみずみまで知るリハビリ専門医がいる病院はごく少数です。

 しかし、治療におけるリハビリの意義は重要です。パーキンソン病で運動機能が低下するのは、病気そのものが原因であるだけでなく、からだが動きにくいから患者さんが動かなくなり結果的に本当に動けなくなるということが多いからです。

 まだ初期の段階からリハビリを始めれば、健常時と同じような動きを維持できる可能性は高まりますし、病状の進行を遅らせることもできます。病状が悪化した患者さんでも、リハビリにより薬を増やさなくても改善したという例も少なくはありません。

 LSVT(Lee Silverman Voice Treatment)BIGという世界的に注目されているリハビリ法もやっと日本に入り始めました。LSVT BIGは、自分が思う以上にからだを大きく動かすことを意識するリハビリ法で、このトレーニングを受けることで正常に近い動きを獲得する患者さんもいます。

週刊朝日 2012年12月7日号