大学生はテレビ感覚で講義を受けている? 養老孟司氏が分析

週刊朝日#池田清彦
 田中真紀子文科相の大学認可をめぐる騒動があったが、早稲田大学で教鞭をとる生物学者の池田清彦教授は、学生の現状と許認可問題について次のように指摘する。

*  *  *
 教育の質が低下しているかどうかは措くとして、大学が乱立気味であるのは本当だ。大半の学生は学問をやりたくて大学に通っているわけではなく、大卒の資格を取りたくて通っている。ある程度以上の単位を取らなければ卒業できないので、半分くらいの学生はイヤイヤ授業に出ているのだろう。面倒臭いので、私は以前は滅多に出席を取らなかった。出席を取らないと、聞きたい学生だけが聞きにくるので私語が少なくてステキなのだが、しばらくすると出席者数が受講者数の半分くらいに減ってしまう。最近は仕方なく出席を取っているのだが、今度は私語が多くてかなわない。

 養老孟司が昔私に語ってくれた所によれば、大教室の講義はテレビの画面なのだという。テレビを見ている人はテレビを見ながら、喋ったり食べたり自由にできる。いやならテレビを消すことも可能だ。なるほど、それで学生たちは飲み食いして喋りながら講義を聞いているわけだ。時々勝手に出ていくのも頷ける。あれはテレビを消しているわけね。だから、学生の数は三分の一くらいに減らした方がいいと思う。

 しかし、許認可権は文科省の利権だし、それと引き替えの私学助成金の交付は私大の利権なので、市場原理で大学が潰れるまでは、大学の乱立は止まらないだろう。

週刊朝日 2012年12月7日号

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