週刊朝日11月16日号の表紙に登場
週刊朝日11月16日号の表紙に登場

 日本でも絶大な人気を誇るエアロスミス。幾度もの解散の危機を乗り越え、11年ぶりに世界待望のオリジナルアルバムを発売する。週刊朝日のLA独占取材に、バンドの顔スティーヴン・タイラー(64・以下ST)とジョー・ペリー(62・以下JP)が日本への愛を語った。

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――来年はデビュー40周年。おめでとうございます。そして新譜「ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!」が発売ですが、11年もファンを待たせたのはなぜ?

JP:アルバムはアートだからね。開始ボタンを押して、「さあ、作る時間だ」って始めることはできないんだ。全員が音楽的に同じ意見にならないといけないしね。

――ふだんから、「日本が好き」とおっしゃっています 。日本人はどんな存在ですか。

ST:地球上のどこの人たちとも違う。日本人は、心に響く音楽のすべての音に聴き入る。アーティストとして、日本人のそういう姿に泣かされるんだ。日本の人たちが最初の頃から、どれほど俺たちのことを愛してくれたか。「イェーイ! 次の曲は?」っていうような軽いノリじゃなかった。歌詞も聴き込んでくれた。ファンレターもさ、「更生施設に行くことになったと聞いて、気の毒に思っています」とか、「あなたが結婚生活で苦労しているのが、曲の中に聞こえます」とか。アメリカじゃ、誰も古風なファンレターなんて送ってくれないからね。それに、日本の人たちが俺たちの音楽を聴いて今でも泣いてくれるのが大好きなんだ。ファンはジョーと道で会っても、泣きだすんだよ。本当に優しいよ。

 最初に来日した当時は、不思議に思ったよ。「俺が歌ってることを、彼らはどうやって理解してるんだ」って。彼らは感じてたんだ。感じることこそ、音楽を聴くときにやるべきことなんだよ。言葉のわかるアメリカ人からは、「悪魔の音楽だ」なんて言われ続けてきたのにね。

週刊朝日 2012年11月16日号