日本で一世風靡したアイドルユニット、ピンク・レディー。米国でのデビューも果たすが、活躍が期待された矢先に撤退。メンバーのひとり、「ケイ」こと増田恵子さんはその理由を次のように振り返る。

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 実際には、最初のシングルカット「Kiss In The Dark」は全米ヒットチャートの37位にランクインしたし、NBCテレビで毎週放映された「Pink Lady Show」はとても好評で、なのに、途中で帰国することになった理由は、私にあります。

 そのころ、私は恋をしていました。それを週刊誌にすっぱ抜かれたときに、誰ひとり助けてくれる人はなく、それどころか、仕事と結婚のどちらかを選べと。それを境に、孤立している気分になっていった。精神的にも不安定になって、私にアメリカで仕事をさせるのは、彼との仲を引き裂くためだって。妄想ですよね。でも、どんどん追い詰められて、私の心は少しずつ、ミイからもスタッフからも離れていきました。

週刊朝日 2012年11月9日号