ご老体に鞭打って勇ましく立ち上がった石原慎太郎氏。ならば当然、寵愛を受けてきた長男・伸晃(55)、三男・宏高(48)両氏も「父上様とともに!」と新党に馳せ参じるのがわかりやすいストーリーだ。しかし、現実はそう単純ではないらしい。

「伸晃さんは9月の自民党総裁選後も、『ずっと自民党にいる』と明言しています。お父さんの“賞味期限”は長くても4年で、新党に移っても将来の展望はありません。総裁選では惨敗しましたが、自民党にいたほうがまだ目があることは自覚している」(永田町関係者)

 そもそも伸晃氏自身、父親の「決断」について、直前まで知らされていなかったフシもある。

「辞職会見の2日前に伸晃さんと飲んだとき、議員仲間が『いずれ、親父さん、新党を立ち上げるんだろうね』と水を向けたけど、伸晃さんは『そうだろうな』と言っただけで、深刻な感じはなかったですから」(自民党中堅議員)

 2009年の衆院選で東京3区から立候補し、民主党候補に敗れて比例復活も果たせなかった宏高氏の事情はさらに複雑だ。

「自民党に残ると言っているが、選挙に弱いため、周囲は新党の推薦を欲しがっている。父親の庇護を受けすぎてもダメだが、孤軍奮閲ではもっとダメという状況。そもそも石原家三男ということ自体、忘れられかけている」(政治部記者)

週刊朝日 2012年11月9日号