番記者がどれぐらいつくかは、その政治家の「重要度」を示すわかりやすいバロメーターである。衆院の任期満了まで1年を切り、安倍晋三元首相(58)が自民党総裁に復帰するなか、与野党の番記者バランスも大きく動いているようだ。自民党中堅議員が誇らしげに言う。

「安倍総裁になって、うちの支持率が一気に跳ね上がり、番記者の数も倍増した。新聞各社は10人前後、民放各社も5人前後が常時いる。首相時代の安倍さんと親しかった元番記者が続々と呼び戻され、幹事長、幹事長代行、幹事長代理にまで細かく担当者をつけている。フジテレビはこれまで岡田克也副総理(59)の番だった美人記者を石破茂幹事長(55)の番にもってきた」

“永田町の華”とされる官邸や与党担当の記者は、逆に激減中だ。

「官房副長官や首相補佐官クラスの場合、特別なイベントがないと記者が取材に来なくなりました。小沢一郎代表(70)の『国民の生活が第一』は、以前は与党番が見ていましたが、先月から野党番が見ることになった上、橋下徹大阪市長(43)が率いる『日本維新の会』にも番記者がついたので、野党番ばかりが増え、寂しい限りです」(民主党国対関係者)

週刊朝日 2012年11月2日号