福留はアメリカの環境に適応できなかったか (c)朝日新聞社
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福留はアメリカの環境に適応できなかったか (c)朝日新聞社
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 米大リーグはポストシーズン真っ盛りだ。しかし、その一方で、今年も日本球界へ“強制送還”される選手が続出しそうだ。

 来季の日本復帰が確実なのが、ミネソタ・ツインズを自由契約となった西岡剛内野手(28)だ。2010年のオフ、「日本人内野手に対するイメージを覆したい」と言って海を渡ったが、失策の多さをはじめ、逆にイメージを悪くしただけの2年間に終わった。

「内野手は日米のプレースタイルに大きな違いがある。日本で実績があっても、一から勉強し直さないといけない。西岡は大きく期待を裏切った」(大リーグ評論家の福島良一さん)

 阪神と古巣ロッテが獲得の意思を示しているが、事実上、阪神入りが確定しているという。

「ロッテが手を挙げたのは、阪神に決まっているとわかっているからですよ。獲得資金がないのが実情ですが、ロッテのスター選手だっただけに、獲得にいくポーズぐらいは見せないと、ファンが許しません。まだ若く、日本に戻れば3割近い打率は残せるでしょう。最終的には、阪神が2年4億円くらいで契約するのではないでしょうか」(野球ジャーナリスト)

 阪神は福留孝介外野手(35)にも好条件で触手を伸ばしている。今季限りで金本知憲外野手や城島建司捕手など高年俸のベテランが引退したため、資金が余りそうなのだ。

 その福留は今季途中にシカゴ・ホワイトソックスからニューヨーク・ヤンキースに移籍するも、メジャー昇格はならなかった。

「ただ、福留は西岡ほど何もできなかったわけではない。技術の高さは折り紙つきだし、日本なら打率3割、20本塁打ぐらい打つ力はあります」(スポーツジャーナリストの鷲田康さん)

 帰国となれば行き先は?

「福留にオファーを出しているのは、阪神にDeNA、古巣の中日あたり。お金にシビアな選手だから、最高条件のところに行くと思うけど、DeNAに対しては『万年最下位のチーム』となめている。中日は条件で劣り、阪神が有力なのでは」(スポーツ紙記者)

週刊朝日 2012年10月26日号