「ビートルズ台風襲来」「叫んで、泣いて、シビれちゃった」…。1966年のビートルズ来日時、週刊朝日はそう熱気を伝えた。62年にレコードデビューしてから今年で50年。ビートルズは今も音楽界で不動の地位を占め、世界中のコレクターによって、当時の熱気が今に伝えられている。

 東京都在住の野口淳さん(55)もその一人だ。中学生の頃からビートルズのレコードや書籍を集め始め、今や1万点以上のビートルズグッズを所有する。高校の英語教師をする傍ら、今年3月には、千葉県船橋市のアパートで「私設ビートルズ資料館」を開館させた。

「25年くらい前から、いつか資科館をやりたいとは思っていたんです。行動に移したきっかけは、昨年の東日本大震災でした。亡くなった人の中にビートルズファンがたくさんいたんじゃないかと思って。生きている間に、自分ができること、やりたいことをやらなくてはと思ったんです」

 思い立ってからは早かった。半年間で、資料館の形をほぼ整えた。

「来館者は40代以上の方が多いんですが、この夏は小学生も来ました。親に連れてこられたのではなく、彼ら自身がファンなんですよ。タイトルを全部言えたりして、びっくりしました」(野口さん)

毎週日曜日に6人限定で野口さん自身が案内をしている。入場は無料だが、HPから予約が必要。

週刊朝日 2012年10月12日号