政界に“上場”したばかりの橋下徹大阪市長(43)率いる「日本維新の会」の“株価”が、安倍晋三元首相(58)が自民党総裁に返り咲いたことで急落している。

 9月初旬、産経新聞社とFNNが行った世論調査では、比例代表の投票先に維新の会を挙げた人が23.8%と、自民党の21.7%を上回り、トップに躍り出ていた。だが、同じフジテレビ系「新報道2001」の世論調査(首都圏)では、9月13日時点で9.4%だった支持率が20日には4. 8%まで下落した。

 ヤフーのアンケート(9月12~22日)でも、「日本維新の会に期待しない」が41%で、「期待する」の30%を上回った。

 支持率急落にも橋下氏は「議席のためにやっている訳じゃない」と強気だ。しかし、維新の動揺を見透かしたように、安倍氏周辺の自民党議員はこう言う。

「安倍さんの側近の一人が幹事長の松井一郎大阪府知事(48)らを通じ、『選挙後に連立を組めば、大臣ポストを渡す』と“秋波”を送ったと聞いている。橋下さんは松浪さんたちを入閣させるわけにもいかず、黙っていられなくなって、ギリギリになったら衆院選出馬を表明するだろう」

 維新は9月28日、次の衆院選候補者の1次公募を締め切った。応募者約400人の多くは「維新の風」頼みだが、“第2自民党”になったら、埋没しかねない。

 焦る橋下氏に、選択肢は残されていない。

週刊朝日 2012年10月12日号