民主党、自民党の党首選がそれぞれ告示され、各陣営のアピール合戦が続いている。自分を売り込もうとする政治家たちを、テレビ局側は視聴率が取れるか否かでシビアに値踏みしている。報道に携わる3人のテレビ局員は口を揃えて、視聴率を稼げる政治家は橋下徹大阪市長(43)だと話す。

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C(大阪準キー局ニュース番組担当):我々の業界では「数字を持っている政治家」「持っていない政治家」って言い方をするわけだけど、持っているのはやっぱり「昔小泉、今橋下」でしょ。

A(在京キー局ニュース番組デスク):東京でも、いま確実に数字が上がる政治家は橋下さんだ。その日の政治の動きをパッケージで紹介して、最後に「一方、大阪市の橋下市長は......」とやって発言を流す。すると0.5~1ポイントぐらい上がるからね。

C:関西では圧倒的な「キラーコンテンツ」だよ。橋下さんは市役所の登庁時や退庁時にぶら下がり取材を受けるから、その映像を昼と夕方のニュースでは必ず使う。

B(在京キー局報道番組ディレクター):橋下さんは少し前の小泉純一郎元首相(70)と全く同じ。そういうところが安倍晋三元首相(57)や石原伸晃幹事長(55)にはないんだ。

C:7月に橋下さんが関西局で順繰りに出演したんだけど、出演中に4ポイント近く上がったこともあった。2008年に大阪府知事に就任以来、関西のテレビ局は橋下報道を大量に流してきたけど、数字が落ちない。お笑い芸人だってこれだけ出ていたら必ず飽きられる。SMAPもこんなにはテレビに出ていない。

※週刊朝日 2012年9月28日号