9月10日午後、東京都江東区の自宅で首をつっているのが発見された松下忠洋金融相(73)。2日後に発売された「週刊新潮」には70歳の「愛人」との関係が掲載された。松下氏は2003年4月にも女性問題を写真誌「FLASH」に報じられた。当時、「元恋人」と報道されたAさんは自殺に疑問を呈する。

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 (09年の総選挙に)復活当選したことで、私とのことはみそぎが済んだんです。女性問題が週刊誌に出るから自殺するんだったら、私とのスキャンダルの時点でとっくに死んでいるでしょう。それを乗り切り、免疫もできたはずなのに、自殺しますかね。
 この問題で大臣をクビになることはないでしょうし、女性との逢瀬(おうせ)で国民に迷惑をかけたわけではない。あくまでも個人的な問題ですよね。自殺を選択したというのは信じられないですね。「週刊新潮」には(松下)先生もその女性に1千万円を払うことに応じる気持ちだったと書かれていました。それでいいじゃないですか。なんで、女性が「私の21年を返して」なんて言っているのか、理解できませんでした。
 女性問題というのは表のことであって、もっと根深い何かに思い悩んでいたんじゃないでしょうか。先生は「人の不幸の上に自分の幸せを築いてはならない」と、よく言っていました。それなのに、家族や支持者は先生が自殺することでどんな思いになるか。人を不幸にしてでも、自殺を選んだのでしょうか。
「晩節を汚さず」という格言があります。先生は晩節を汚してしまった。こんなふうに人生のけじめをつけるべきではなかった。これまで説かれてきた政治信条に基づいた、ほかの選択があったはずです。

※週刊朝日 2012年9月28日号