政権交代から3年がたつ。民主党はマニフェストに翻弄され、自民党は抵抗路線に終始。消費増税をめぐって協調路線に転じたものの、党首選を前に再び迷走している。政治はなぜ機能しないのか。民主党の長妻昭氏と自民党の河野太郎氏が対談、民主・自民両党のあるべき姿や維新の会の存在などについて語った。

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河野:「民主にはガッカリ、自民にはコリゴリ」というのが国民の本音でしょう。だから、民主党の支持率が下がっているのに、自民党の支持率が上がらない。どっちも嫌だという人が、行き先を求めて維新の会に向かっています。しかし自民党は何も変われず、今回の総裁選でも長老が出てきて、「俺のういヤツはこいつだ」みたいな理由で候補者が決まってしまう。すっかり先祖返りしてしまった。

長妻:派閥の数の力で総裁や代表が決まるのではなく、候補者がそれぞれ政策を提示して、実行力と決断力のある人がトップになるべきです。その上で、自民党が自助・自立中心、維新の会がそれよりさらに先鋭的な新自由主義であるなら、民主党は「格差是正、再分配」が原点だと思うんです。定期的に新党ブームが起きて、新しい人が出てきて政権が代わって、ということの繰り返しでは、政治を前に進めることはできません。民主党と自民党が「公共財としての政党」になって、それぞれの原点に共感する若い人がどんどん入って、新陳代謝が進む政党にならないといけない。そうすれば新党の役割も担えるんですよ。

河野:党の基本政策をここで一度はっきりさせて、その上で路線が違う人はほかの党に行ってもらう。考えが一致するなら逆に他党からきてもらう。そういう政党間のトレードをしてもいいんじゃないですかね。

※週刊朝日 2012年9月21日号