細野豪志環境相兼原発相(41)を主役に起用した民主党代表選の前哨戦は、わずか8日間で幕引きとなった。永田町では、決断のウラを巡って様々なうわさが飛び交っている。

 まず、まことしやかに流れたのが「野田解散強行説」だ。自民党の谷垣禎一総裁(67)は9月6日に新潟県燕市で街頭演説し、「近いうちに解散するという言質を総理から得ている。近いうちとはいつだと議論があるが、ひょっとしたら明日、解散があるかもしれない」と発言。「官邸が細野おろしのために自民党と組んで、事実上の会期末である7日に解散する」といううわさが一気に広まった。

 解散風を一気に吹かす「野田の恫喝」が効いて党内が萎縮し、細野氏も出馬断念を余儀なくされたというわけだ。

 さらに、「輿石陰謀説」も有力だ。赤坂で細野氏に出馬をたきつけた張本人が、最後は急ブレーキを掛けたとされる。

「野田官邸では、代表選後の内閣改造に合わせた党役員人事で、党が割れた責任を取らせる形で輿石東さん(76)を幹事長から更迭しようという意見が出た。これに怒った輿石さんが力を見せつけるため、それまでちらほら出ていた『細野擁立構想』に薪をくべた。あわてた官邸が幹事長職の続投を約束したため、輿石さんが側近を使って細野さんに出馬を思いとどまらせたというわけです」(民主党関係者)

※週刊朝日 2012年9月21日号