2011年度、過去最高の赤字に転落し、資金繰りが行き詰まりつつあるシャープ。これは他人事ではない。週刊朝日は日本を代表する28業種100社の、以下の4指標をチェックした。

(1)有利子負債比率:この数値が高いほど借入金に依存している(2)流動比率:この数値が低いほど目先の借金を返済する能力が小さい(3)自己資本比率:この数値が高いほど返済する必要がない資金が多い(4)売上高の増減:この数値が増加している会社は成長している

 企業は、借金や自前資金で設備投資をして売り上げを伸ばすことで、成長しようとする。シャープの場合は、有利子負債比率が上昇し、売上高は1兆円近く減少している。これは、設備投資が失敗だったと読み解くことができる。

 電気機器分野を見ると、ファナックやキヤノンの勝ち組と、ソニー、NECなどの苦戦組に二極化しているのがわかる。

 第一生命経済研究所の永濱利廣エコノミストは、電機についてこう指摘する。

「国際競争力がポイント。新興国が技術で太刀打ちできない分野はまだ日本企業が強い。逆を言えば、ソニーなど苦戦組も海外で戦える商品を作れば復活する」

 国際競争力がある商品を失って久しいソニーは、リーマンショック前と比べて流動比率は落ち込み「血液はドロドロ」に。自己資本比率も減少し、「体格」も細ったという傾向が読み取れる。

※週刊朝日 2012年9月14日号