かつての「視聴率王」も今は昔――フジテレビに異変が起きている。

 2004年から7年間、年間視聴率3冠王に君臨していたが、昨年、日本テレビにその座を奪われたのに始まり、オダギリジョーが主演した今年4月期のドラマ「家族のうた」は、視聴率3%台で打ち切り。さらに4~6月期の平均視聴率はテレビ朝日にも抜かれ、3位に。7月には「3冠王を逃したため」(フジテレビ関係者)、局長やプロデューサーなどが大幅に入れ替わるテコ入れがなされたが、"迷走"は止まらない。

 その一例が情報番組「とくダネ!」だという。

 言わずと知れた小倉智昭がメーンキャスターを務める朝の看板番組だ。同局の人気アナ、ナカミーこと中野美奈子の退社に伴い、7月からキャスターに抜擢されたのがタレントの菊川怜だったが、その評判が芳しくない。

「同じ時間帯では、日テレの『スッキリ!!』と『とくダネ!』が視聴率を競い、これまではフジが優勢でした。週5回の放送で負け越しが続くなんてことはほぼなかったのですが、菊川に代わった翌週から、1勝4敗が2週続きました。扱うニュースなどにもよるので一概にキャスターの責任にはできませんが、菊川が原因だという声がもっぱらです」(番組関係者)

 一方、菊川の起用と同時期にあった人事異動が業界で臆測を呼んでいる。情報制作局長や情報制作センター室長、番組のチーフプロデューサーらが軒並み交代したのだ。テレビ局では、長く続いた番組を終わらせたり、「大物」キャスターやタレントを降板させたりする際に、局側も相応の立場の人間が異動するのが慣例とされている。

「大物の降板などと同時に異動する局もあるが、フジは必ずしもそうではない。今度の人事異動は、小倉さんの降板をにらんだもの、という声があります」(同)

 もしかして、小倉さん、最後の夏!?

※週刊朝日 2012年8月10日号