相模原病院では年間約4500人の喘息患者を診るという。国内でも有数の症例数を誇る同院で、中心となって治療に当たる病態総合研究部長の谷口正実医師に今後の喘息治療について聞いた。

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 私たちの最近の大規模調査や臨床研究などで、成人喘息の発症や悪化には喫煙だけでなく、肥満や食生活が大きくかかわっていることが明らかになりつつあります。

 まず男性よりも女性、BMI25以上の人、また甘いものやハンバーガーなどのファストフードをよく食べる人にも喘息症状が強く見られます。さらに妊婦さんの肥満は胎児に直接影響し、胎児が将来喘息を発症するリスクが高くなることもわかってきました。

 今後は新薬の開発も進みますが、生活習慣病という側面からの対策も必要だと思われます。

※週刊朝日 2012年8月3日号