「喘息は慢性疾患 治ったと思っても気管の炎症は消えない」と呼吸器科医師

週刊朝日
 喘息というと子どもの病気と思われがちだが、700万人とされる患者の6割~7割は大人の患者だといわれている。しかもその7割が成人してからの発症だ。慢性疾患と理解したうえで、吸入ステロイドを上手に使うことが病状の安定につながると宮川医院の宮川武彦医師は説明する。

「喘息は慢性疾患です。最初の強い症状がなくなって、自分では治ったと思っても、実は気管支には炎症が残っています。この炎症はまず消えることはありません」

 喘息は気道に炎症が起こり、気管支を取り巻く平滑筋という筋肉が収縮し、気道の粘膜が腫(は)れて空気の通り道が狭くなる。このため、典型的な症状である、息をすると「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音がする喘鳴(ぜんめい)と、息苦しさが現れる。一度喘息発作を起こすと、気道の粘膜には好酸球やマスト細胞などの炎症性の細胞が侵入し、気道は常に過敏な状態になってしまう。過敏になった気道に風邪、疲労、ダニ、ほこり、花粉、冷気、たばこなどの誘因が加わると喘息症状が出現する。治療は炎症を抑えること、気管支を拡張させて空気の通り道を広げること、誘因を除くことが基本になる。

 吸入ステロイドが喘息の第一選択薬として普及してくるのと呼応して、喘息死の人数が急速に減り始め、1995年に約7300人だったのが、2010年には約2000人にまで減少した。34年前から吸入ステロイドを導入している宮川医師は、吸入ステロイドは喘息治療に不可欠な薬と説明する。

「ステロイドという名前のせいで長年にわたって誤解を受けてきました。吸入タイプのものは気管支の粘膜に直接作用して、血液中にはほとんど入らないので、全身性の副作用はありません。内服や点滴のものとは別物と考えてください」

※週刊朝日 2012年8月3日号

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