毎週金曜夜に首相官邸前で、福井・大飯原発再稼働に反対する抗議デモが行われている。また、7月16日には猛暑の中、「さようなら原発10万人集会」が開催された。3月から原発抗議デモに参加しているフリーライターの和田靜香氏も手作りプラカードを携えこれに加わった。

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7月13日(金)晴れ

「花金」でも遊ぶお金はないから、野田ちゃん家に行くしかないのに、霞ヶ関駅から官邸前に続く道まで封鎖されて近づけない。仕方なく逆方向へ行くと、国会議事堂前のファミリー・エリアに流れ着く。親子連れが「座り込み」をしてオニギリをほおばるマッタリした場で、官邸前とは雰囲気が全く違う。勝手に歌う人もいる。封鎖に突撃するのは昔の話で、今は逆手にとって新しい表現をするんだ。

 私も関取写真を貼ったプラカードを得意げに掲げると、「写真を撮らせて」と大人気で、嬉しくなる。友人が、「イケメンには『連絡先を教えてくれたら』と言え」と言うから笑ったが、それ、ありえる。婚活女子よ、手作りプラカードを手に集え!

 7月16日(月・祝)晴れ

 酷暑の中、「さようなら原発10万人集会」へ行く。演説を聴き、いざデモ行進しようとするも、一般の隊列はすでに出た後。ウロウロしていると、きちんと並んだ労組系の方々が「闘うぞ! 闘うぞ!」と叫んでいて、驚いた。「闘う」なんて思ったことはなく、ただ「原発はイヤ!」と叫んでいるだけ。なるほど、色んな声がある。でも「闘う」より「イヤ」のほうが簡単で、長持ちする気がする。

 とか言いつつ、一歩もデモらず、カレーを食べて帰ってしまった。

7月20日(金)雨

 師匠の湯川れい子と、お揃いの雨合羽(400円)を着て、官邸前へ。途中、鳩山元首相を見かけると着ている雨合羽が100均ぽい。勝った。師匠がスピーチをして満足したので早退することにしたが、ドラム隊に会って足が止まる。正直、歌には「?」だったが、これには心震えた。色々次々出てくるノダ。

※週刊朝日 2012年8月3日号