元国税庁長官の脱税疑惑、・脱法重婚・を追及してきた週刊朝日の記事が財務省に衝撃を与えている。元長官が極秘で歴代財務事務次官(25人)、国税庁長官(25人)の退官後の「納税額調査資料」を作成し、財務省OBたちの「退官後の高給ぶり」がリアルに明らかになったからだ。

 国税庁長官時代に先輩らの納税額を・極秘調査・した大武氏は、調査理由について、週刊朝日にこう釈明していた。

「もし、(先輩たちに)不正があったら嫌だな、そんな先輩がいたら注意しなきゃいけないと思って数字を出した」

 だがそんな言葉とは裏腹に、大武氏も先輩を見習って、05年7月に国税庁長官退官後、商工組合中央金庫副理事長へ天下り。08年には大塚ホールディングス代表取締役副会長という超高給ポストへ華麗なる"わたり"をしていた。

 同社の2011年度の有価証券報告書によると、大武氏への年報酬は約1億2千万円で、歴代OBの中でも破格の待遇だ。

 そのうえ、大武氏は国税庁の有力天下り先のTKC全国会(税理士、公認会計士1万人以上が加盟する組織)会長、税務大学校客員教授、人事院公務員研修所客員教授などを歴任していた。

※週刊朝日 2012年8月3日号