水泳の日本代表としてロンドン五輪に出場する萩野公介選手。17歳の彼は、男子ではシドニー五輪の北島康介選手以来の高校生五輪選手だ。

 ベビースイミングで生後6カ月から水に入った。学校へ上がってからは、学童・中学記録を連発。「ミラクル小学生」「スーパー中学生」と称賛されてきた。

 決して筋力が強いわけではない。中学2年の時には、腕立て伏せが3回しかできなかった。抜群の泳ぎのセンスと、練習で他の人がバテるところでも頑張れる「我慢力」でトップを走り続けてきたのだ。

 プールにいる時は、歌舞伎役者のような二枚目の顔だったが、話し始めると表情がゆるみ、ひょうきんでおしゃべり好きの顔になる。

「基本的に僕は黙っていることがないんで。『黙ってれば、もっと良く見えるよ』って高校の友達に言われます。よくしゃべるから、女の子とも友達以上にならないです」

 AKB48が大好きだ。インタビュー時(5月末)には、1週間後の「AKB選抜総選挙」の結果が気になって仕方がない様子だった。

「投票は大島優子さんにしました。ゆきりん(柏木由紀)のファンが怖いですよね。絶対にファンが一致団結して『優子に勝ってやる』っていう気持ちになってると思うんです。AKBのメンバーは、研究生も含めて全員知ってます。自分がメダルでも取って有名になればAKBに会えるかもしれないっていうのは、泳ぐエネルギーにはなってますけど、それに命をかけてる訳じゃないんですよ」

 話し始めると止まらない17歳の天才スイマーは、個人メドレーの200メートルと400メートル、2種目に挑む。

※週刊朝日 2012年7月27日号