大阪府富田林市に流れる1級河川・石川にかかる河南橋の河川敷。普段はジョギングなどを楽しむ市民が多いが、最近、「大阪府警」のロゴ入りの服を着た捜査員たちが、炎天下、500メートルにわたって土を掘り返す異様な光景が続いている。

 現場の警官に聞いても、何の答えも返ってこないが、付近の住民がこう話す。

「捜索は7月5日くらいから始まった。当初は橋を通行止めにしていたから渋滞がすごくて参った。この辺の人ならみんな、例の事件の捜索だと知っているよ」

 例の事件とは、今年4月、同市に住民登録がある9歳の男児が長期間行方不明だったことが判明した事件だ。すでに、男児の祖父母とその親族ら計4人が生活保護を不正受給していたとして、詐欺容疑で逮捕されている。

 男児は2002年9月生まれ。市が経緯を調べると、同じアパートに住んでいた祖母が両親不在の間に男児を連れ出して帰さず、トラブルになっていた過去が判明した。その後、両親は離婚し、それぞれ市外へ転居。男児は04年から曽祖母宅に住民登録されていたが、09年春、書類上は小学校に入学した後も、一度も登校しなかった。

 昨年8月、曽祖母から「同居していないので男児を住民票から削除してほしい」と連絡があり、同市が調査すると、所在が不明。祖母は「知らない」と説明したという。同市はここで初めて大阪府警に相談し、事件が発覚した。
 
 そして現在、事態は最終局面のようだ。捜査関係者が驚くべき事実を口にした。

「男児の遺体を河川敷に遺棄したという趣旨の供述があり、捜索している」
 
 だが、遺体が遺棄されたのは生後1年にも満たない時期とみられており、捜索は難航している。

※週刊朝日 2012年7月27日号