夏本番。世の女性がむだ毛のお手入れに悩まされる季節がやってきた。だが、最近は大人だけでなく、子どもの間にも脱毛が広がっているのをご存じだろうか。いまや、小中学生が腕や脚どころか、ビキニラインを脱毛するのも当たり前。なかには3歳児が受けるケースもあるという。

 3歳以上の子どもを受け入れている東京・麹町のエステ店ミレニアムサロンの和田典子社長は、

「全体としては、親御さんが希望していらっしゃるケースが多いですね」

 と話す。親の世代である30~40代は、男女を問わず脱毛や美容への関心が高く、夫婦そろって子どもの脱毛について相談に来るケースもあるという。

「両眉がつながっていてお猿さんみたいだから、脱毛してきなさい」

 父親にそう言われて、脱毛に訪れた小学1年生の女の子もいた。

「子どもが幼稚園に入っていじめられないようにと、入園準備の一環として3歳のお子さまの腕や脚の脱毛を希望される方もいましたね」(和田社長)

 関東地方の別のエステ店には昨年、幼稚園に通う5歳の男の子と母親が全身脱毛をしてほしいと訪れた。同店のエステティシャンは言う。

「お子さんは体毛を気にしておらず、脱毛を嫌がっている様子なのですが、お母さまが体毛に嫌悪感をお持ちのようで、熱心に勧めたようです」

 一方で、子ども自身が積極的に脱毛を望んでいるケースもある。

 都内の別のサロンに通う小学5年生の男の子は、自ら望んで全身の脱毛をしている。毛量が多いわけではなかったため、サロンのスタツフは男の子に、

「毛が生えていたって、男の子らしくていいじゃない。個性じゃないのかな」

 と聞いてみたが、男の子は首を振ってこう答えたという。

「お父さんのような脚や腕にはなりたくないんだ」

 脱毛を希望する人が増えたため、大手のエステサロンも子どもの脱毛市場に参入し始めている。TBC(本社・東京)は昨年夏から、7歳以上の子どもを対象にした「キッズ脱毛」を始め、母と子が一緒に脱毛をすれば割引になる「親子得」プランも設けた。

※週刊朝日 2012年7月27日号