今、若い世代のがんが増えているという。婦人科系、なかでも乳がんの発症時期が低年齢化しており、若いころからがんを作り出す体になるという、恐るべき現象が起きているそうだ。現場で数千人以上のがん患者の食生活をみてきたという、管理栄養士の幕内秀夫氏は、「乳がんにかかった方は『食』に問題が多い」と話し、乳がんと食生活の関係について次のように指摘する。

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 乳がん患者に共通した食生活、それは「カタカナ食」です。朝はパンとハムエッグにサラダ、コーヒー、ヨーグルト。昼はパスタやピザ......。40代以上で7割、20代、30代で8割もの乳がん患者が朝にパンを食べているのです。

 パンが悪いという話ではなく、パンを常食にすると必然的に高脂肪な食事になるよという話。パンにはバター、コーヒーにミルクを、サラダにドレッシングやマヨネーズと、無自覚に高脂肪型食生活になっているわけです。

 それが女性ホルモンの過剰を招き、婦人科系の病気を増やしている。

 パン食に合うハムやソーセージなど食肉加工品は、脂肪分だけでなく添加物も入っています。さらに、マヨネーズ、ケチャップ、ソースといった調味料も見直したい。調味料の頭文字をとって、「マヨケソ」と私は呼んでいますが、砂糖や油が多く、カタカナ食に合う。加わることでどんな料理もおいしく感じる。マヨネーズは日本人の口に合いますが、スナック菓子以上の脂質が含まれることを自覚してほしいのです。

※週刊朝日 2012年7月13日号