芸能プロ「イエローキャブ」社長の帯刀(おびなた)孝則さん(58)が6月28日午後、事務所内で首をつっているのを社員が見つけた。警視庁は自殺とみている。

 帯刀さんは2006年に社長に就任したが、活躍するのは"古参"の小池栄子と佐藤江梨子くらい。帯刀さんについて、ある芸能関係者はこう語る。

「元放送作家で、小説を読むのが好きな温厚な人。マネジメントのマの字も知らずに社長になったから苦戦していました。小池とサトエリは女優業に方向転換したが、女優だけでは稼ぎが厳しいし、事務所の後輩も育たない。野田義治氏(現サンズエンタテインメント会長)の頃は、社長自ら営業して、バラエティー、イベント、雑誌、広告など多岐にわたった仕事をとっていたからね」

 資金繰り悪化や小池の「移籍」の噂も絶えず、最近は"異変"も起きていた。

「ずっと一枚岩だった小池の現場マネジャーが辞め、続いてチーフマネジャーも辞めると聞いた。タレントも数人、辞めたようだ。体裁を気にしてか、ここlカ月の間に新人を増やしたが、写真を見ると『これからの子』で、もっと加工して出せばいいのに、と」(同前)

 自殺の理由を、金銭的な面と見る向きが多いが、帯刀さんを知る同業の男性はこう声を潜める。

「サトエリのドラマ制作発表会見の日に"自殺"なんて、どうしても腑に落ちない。金銭面の問題というより、社内の人間関係で揉めて社長解任の動きがあるという噂もあった。事務所はかたくなに『心筋梗塞』として自殺を否定しているようだ」

 訃報を受けて、事務所に残されたタレントを心配する声も上がっている。

「社長が事務所で自殺となると、広告も入りにくく仕事のダメージは大きい。そこもわかった上での"自殺"であれば、内部への恨み辛みが相当強かったなとも思える」(同前)

※週刊朝日 2012年7月13日号