「真実を国民の皆様に知っていただきたい」と脱税疑惑、情報漏洩、愛人との「脱法重婚」を元国税庁長官の妻が週刊朝日に告発した。告白された張本人、大武健一郎氏(65)は、弁護士と現役国税職員を引き連れて、週刊朝日の取材に応じた。

――B女(大武氏と世田谷の家で暮らす女性。記者が関係をさりげなく尋ねると、ためらいもせず、「妻です」と言い切った。)は戸籍上、大武さんの妹ですか。

「妹ですよ。けど事実婚ですから、実質はね。うちの家内(大武満里子さん)とは、長女が結婚するまで離婚しない事情を理解してくれて、(B女も)『かまわない』と言っている。だから、父が、養女にしちゃった。父は遺言で、家はあの子にあげろと。家内は僕の父の面倒をまったくみてくれず、みてくれたのは、B女です」

――手帳のメモによれば、講演料など雑所得と、確定申告された額が数百万円も違う。脱税ではないのか。

「僕は将来、天下りするのが嫌だった。ベトナム簿記のNPOを運営したくで、自活しなければならないと思っていたから、税理士会、税理士らの勉強会などで講演した。僕は現役中はビタ一文、謝礼はもらっていない。でも、講演料がいくらか主催者に開き、将来、講演で自活するための参考資料として手帳に書いた。すべて僕の妄想だ」

――本誌の取材に「お車代としてお金を渡した」と認めた国会議員がいたが。(同席した国税職員が身を硬くするのがわかった)

「国会議員からもらって自分の懐に入れるなんてしていない」

――いや確かに「払った」と答えた政治家がいますが。

「......。渡辺ミッチー(渡辺美智雄元外務大臣)さんかな。僕に選挙に出ろって言った人で、親しかった。お金をくれたこともありましたが、ミッチーさんと親しかった叔父を通して返したから」

――現金は封筒入りでもらうのか。

「いやいや現ナマです」

※週刊朝日 2012年7月13日号