大飯原発の再稼働に対する国民の怒りは、とどまるところを知らない。6月22日、首相官邸周辺のデモには主催者発表で4万人が結集した。再稼働に反対して民主党に離党届を出した平智之議員に聞いた。

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 今の民主党は政権交代前より官僚主導に舵を切っています。今回の再稼働事件でそれがはっきりしました。記者会見で野田佳彦総理は、

「豊かで人間らしい生活を営むためには原発が必要だ」

 と言いました。まさに原発のために、豊かで人間らしい生活を奪われた方が十数万人、広く見積もれば数百万人います。もし総理が以前のように毎朝駅頭に立って国民の声を聞いていれば、ああは言わなかったでしょう。毎日毎分毎秒、官僚から話を聞かされているうちに、コントロールされてしまったのです。

 地元の京都で大飯再稼働に反対だと言うと、2~3割の人は「電力供給が厳しいのでは」と言う。しかし、夏のピーク時には15%足りないという計算は、113年ぶりの猛暑だった一昨年の夏を前提としたものです。計画停電という「脅迫」がなされていますが、東電管内で計画停電をしたのは震災直後だけで、夏場は乗り切れています。関西も乗り切れないはずがない。ここにも官僚の意図的な情報操作があるのです。

※週刊朝日 2012年7月6日号