長引くデフレは大人の街・銀座も変容させた。「ユニクロ」や「H&M」などのファストファッションが進出。高級クラブも割安のキャバクラへと姿を変えた。

「最近の銀座なら2千円で一日"豪遊"できるだろ」

 デスクの指令で平日の銀座へ。

 昼過ぎに腹ごしらえに向かったのは、「銀座ナイン・2」の地下にある「らーめん三吉」。創業37年目。中沢賢治さん(65)と妻の康子さん(63)の2人で切り盛りする、ラーメン1杯300円の人気店だ。

「麺もスープもチャーシューも、すべて自家製だよ。人件費をかけないのが安さの秘訣だね」(賢治さん)

 プリッとした食感の細ちぢれ麺がしょうゆ味のあっさりスープに絡みつき、うまい!

 次は低価格衣料店「g.u.(ジーユー)銀座店」で買い物。ジーパン990円、サンダル790円......。迷った揚げ句、590円のTシャツとセール中で50円の靴下を買った。

 午後4時。「R25cafe」へ。コーヒーは1杯330円と「激安」とは言えないが、ほぼすべての座席にコンセントがあり、無線LANも配備。iPadが設置されている席もあり、自由に使える。

 日も暮れた。残金は730円。食べてアルコールもいただきたい。「パーッとやるか!」とイタリアンのファミリーレストランへ。食事2品とワインで計678円。腹も膨れ、ほろ酔い気分で大満足。残った52円を手に編集部へと戻ったのだった。

※週刊朝日 2012年7月6日号